2013年06月16日

062 志賀高原の植生の垂直分布

今日のテーマは植生の垂直分布
これを聞いてピンとくる方は高校の生物の授業をちゃんと聞いていた人でしょうw

ざっくり言うと、標高が高くなるに従って生える植物が変化していくことです。
この図、覚えていますか?
062 志賀高原の植生の垂直分布

山の低い福井育ちなので、高校で習った時はピンとこなかったんだけど、
長野に来てからこういうことだったかのか!と実感したのです。

志賀高原~白根山を例に、標高順に植物を見ていきます~。

標高1635m 木戸池 落葉広葉樹林帯
水際や谷にシラカバ・ダケカンバが多く見られます。
これより少し標高が上がると針葉樹林帯になります。
062 志賀高原の植生の垂直分布

6月初旬の撮影ですが、丁度芽吹き始めの時期でした。
長野市内(標高350m)と一ヶ月程度ずれますね。
062 志賀高原の植生の垂直分布

標高1900m 横手山スカイレーター乗り場付近 亜高山帯針葉樹林
高木はモミ・ツガ等の常緑針葉樹しか生育できなくなってきました。
地面を覆うのは根曲がり竹の取れるチシマザサです。
さばの水煮と竹の子のお味噌汁は長野県民のソウルフード!
062 志賀高原の植生の垂直分布

標高2000m 草津白根山の弓池 亜高山帯針葉樹林
このあたりもモミ・ツガ林ですが、樹高が低くなって密度もまばらになってきました。
弓池は国道沿いにあるので、駐車場から徒歩3分です★
062 志賀高原の植生の垂直分布

水源は雨水の流入のみの高層湿原です。
周囲に木道がめぐっているので散策できますよ。
7月初旬には一面のワタスゲが見られるそうです。
(また行かなくちゃ。。。
062 志賀高原の植生の垂直分布

池の傍にそびえるのは蓬莱岩です。風雪の浸食によりこんな形になったとか。
岩が不安定なので周囲は立ち入り禁止。
落葉樹の芽吹きはまだですねー!
空が神々しいよヒャッホイ!
062 志賀高原の植生の垂直分布

標高2050m 白根山火口湖展望台への登山道
ハイマツなどの低木が中心となった高山植生です。
いわゆる高原のお花畑。
環境が厳しいので木は大きく成長できません。
062 志賀高原の植生の垂直分布

風から身を守るように数本がまとまって生えていますね。
下からの強い風の吹き上げがあるので、枝の伸び方が不均等です。
主幹も傾いています。盆栽用語だと斜幹(しゃっかん)。
062 志賀高原の植生の垂直分布

タカネザクラ(高嶺桜)が咲いていました。
最も標高の高いところに生育する桜です。1500m以上じゃないとダメなんですって。
まさに高嶺の花だわ~
062 志賀高原の植生の垂直分布

標高2100m 白根山火口湖展望台
白根山の稜線に出ました。もう草木はほとんど生えていません。
下方に見えるのは火口湖の湯釜・涸釜です。
湯釜の周辺は硫化水素ガスが発生しているので立ち入り禁止になっています。
湖の水自体も硫酸そのもの。なんとph1!
周囲に植物が全く生えていないのもその影響ですね。
062 志賀高原の植生の垂直分布


学校で習ったことを体験できると、生きた知識になりますね。
科学の視点で世界を見ると色々な発見があって楽しい!


白根山までは長野市内から車で一時間半ほどです。
車でちょっと行くと日本国道最高地点の渋峠や殺生河原、草津温泉街がありますよ~


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Posted by モユ at 02:30│Comments(0)植物
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